1400年間、一文字も変わらない奇跡の書『クルアーン(コーラン)』

1400年間、一文字も変わらない奇跡の書『クルアーン』

こんにちは、日本人ムスリマのAyaです。

前回の記事ではイスラム教が信じる唯一の神「アッラー(至高にして崇高な御方)」についてお話ししました。

では、その神様からのメッセージは、どのように私たちに届けられているのでしょうか?

今回は、イスラム教の聖典である『クルアーン(コーラン)』について、その驚くべき特徴と魅力に迫りたいと思います。

「イスラム教の教えって、何に基づいているの?」

「クルアーンって何が書いてあるの?」

この記事を読めば、ムスリムがなぜクルアーンを人生の羅針盤として大切にするのか、その理由がきっと分かるはずです。

Aya

知的好奇心をくすぐる「奇跡」のお話に、ぜひお付き合いください

目次

イスラム教には2種類の「教科書」がある

イスラムの教えを学ぶ上で、ムスリムが道しるべとする、大切な2つの「教科書」があります。

それが「クルアーン」「ハディース」です。

まずはこの2つの違いを、簡単にご説明します。

① 神の言葉そのものである「クルアーン」

『クルアーン』(Quran)は、神(アッラー)の言葉そのものです。
(日本語ではコーランと呼ばれることもあります。当サイトではアラビア語の発音に近いクルアーンで統一しています)

もう少し詳しく言うと、神が最後の預言者であるムハンマド(彼に平安と祝福あれ)に「このように人々に伝えなさい」と啓示(けいじ)し、預言者はその言葉を一字一句変えることなく、そのまま口にして伝えました。

それがすべて記録されたのが『クルアーン(コーラン)』なのです。

言わば、神様から私たち人間への、ダイレクトメッセージが詰まった人生のガイドのようなものです

② 預言者の言行録である「ハディース」

一方で『ハディース』(Hadith)は、神の言葉を伝えられた預言者ムハンマド(彼に平安と祝福あれ)の、日々の言葉や行動を、周りの人々が記録したものです。

クルアーンという「理論」を、預言者ムハンマド(彼に平安と祝福あれ)がどう「実践」して生きたかを示す、具体的なお手本集と考えると分かりやすいかもしれません。

なお、なぜ預言者の行動まで真似するのか?ということですが、実はクルアーンに書いてあるからなんです。

信仰する者たちよ。アッラーに従い、使徒とあなた方の中の権威者たちに従いなさい。

クルアーン4章 婦人章(An-Nisa)59節抜粋

ここでいう使徒はムハンマド(彼に平安と祝福あれ)のことを指し、権威者というのはイスラムを生涯研究しているレベルの学者のことを指すと言われています(権威者の解釈には諸説あり)

なお、この章以外にもたくさんの章で預言者をお手本とするように示されています。

ということで、

ムスリムは、この神の言葉である「クルアーン」と、預言者の実践である「ハディース」の両方を大切にし、人生のあらゆる場面での指針としています

指針 向かうべきところ

クルアーンが「奇跡の書」と呼ばれる3つの理由

さて、ここからが本題です!

なぜ、クルアーンはただの聖典ではなく、「奇跡の書」と呼ばれることがあるのでしょうか。

それには、他の宗教の聖典には見られない、驚くべき理由があります。

理由①:1400年間、一文字も改ざんされていないこと

クルアーンの最大の特徴、それは「1400年以上もの間、一字一句変わらずに、完全に守られてきた」という点です。

これは、時代と共に数多くのバージョンが生まれたり、解釈によって改訂が加えられたりしてきた他の聖典と比べると、非常にユニークな特徴です。

「本当に、そんなことがあり得るの?」と思うかもしれません。

その客観的な証拠の一つが、イギリスのバーミンガム大学で発見された「バーミンガム・クルアーン」と呼ばれる、現存する最古級の写本です。

科学的な年代測定によって、この写本はなんと西暦568年から645年の間に書かれたものだと特定されました。

預言者ムハンマド(彼に平安と祝福あれ)の生涯は、570年ごろから632年とされています。

これは一体、何を意味するのでしょうか?

つまり、このクルアーンの写本は、まさに預言者が生きていた時代そのものか、その直後に書かれたということです。預言者が伝えた神の言葉が、時間を置くことなく、そのままの形で書き留められていたことを示す、非常に強力な物的な証拠です。

(参考:The Birmingham Quran Manuscript – バーミンガム大学)

Aya

この「変わらない」という奇跡は、偶然ではありません!

クルアーンの中には、神(アッラー)(至高にして崇高な御方)ご自身による、こんな力強い宣言があります。

「まことに、われがこの訓戒(クルアーン)を下し、われが必ずそれを守護するのである」

クルアーン15章 アル・ヒジュル章 (al-Hijr) 9節

神ご自身が「必ず守る」と約束されたこの言葉。

この約束が、次に紹介する、さらに驚くべき事実に繋がっていきます。

理由②:世界中に250万人以上いる「歩くクルアーン(ハーフィズ)」の存在

もし今、世界中からクルアーンの印刷物やデータがすべて消え去ったとしても、数時間後には全く同じものを復元できる

これは、まったく大げさな表現ではありません!

なぜなら、世界にはクルアーン全約600ページを完璧に丸暗記し、暗唱できるムスリムが、250万人以上もいるからです

彼らは「ハーフィズ(守る人)」と呼ばれ、まさに「歩くクルアーン」とも言える存在です。

ちなみに、この奇跡はなんと最年少では3歳の子どもが丸暗記できてしまっているんです。(600ページ、、、信じられないですよね。)

でも、きっとアラビア語を話す国の人だけでしょ?と思うかもしれません。

それが、アラビア語を母国語としない国、例えばパキスタンやインドネシアなどの地域の人々もその大半を占めているんです。(意外ですが、ムスリムの80%は非アラブ人です!!)

これだけ多くの人々が、1400年前の言葉を寸分違わず記憶し、次の世代へと繋いでいる。

神が「守る」と約束された言葉が、人の記憶を通して現代まで守られ続けていること。

Aya

これも、クルアーンが持つ奇跡の一つだと、私は感じています

理由③:コーランと科学的事実の一致

クルアーンの奇跡は、その保存性だけではありません。

実は、1400年前には誰も知り得なかったはずの、宇宙の始まり生命の誕生、その他多くの最近になってようやく科学的に発見されたことが驚くほど一致している、という側面もあります。

今回は、その中から特に有名な「人間の創造」に関する一節を、ご紹介しますね。
(この説以外にもたくさんの現代では分かっている生命の誕生から発達について書かれている箇所があります!)

「(アッラーは)あなたたちを母親の胎内に、三つの暗闇の中で、段階を追って創造された…」
クルアーン 39章 集団章(az-Zumar)6節 一部抜粋

この「三つの暗闇」とは、一体何を指すのでしょうか?

現代の発生学の知識によって、胎児が母親のお腹の中で、まさしく3つの層によって守られていることが分かっています。

  1. 腹壁(お母さんのお腹の壁)
  2. 子宮壁(子宮の壁)
  3. 羊膜(赤ちゃんを直接包む膜)

さらに、この一節は人間が「段階を追って」創造されることにも触れていますが、これも現代の胎児学が示す「胚前期」「胚期」「胎児期」という3つの発達段階と一致します。

超音波などの技術がなかった1400年以上も前に、どうしてこれほど正確な記述が可能だったのでしょうか。

こうした時代を超えた記述が、クルアーンがただの人間の言葉ではなく、全知全能の神の言葉であることの力強い証拠の一つだと、多くのムスリムは信じているのです。

Aya

この「科学的奇跡」については、大量にあって長くなってしまうので、また別の機会にじっくりとご紹介しますね
お楽しみに!

クルアーンには一体何が書かれているの?

では、その奇跡の書には、具体的にどのような内容が書かれているのでしょうか。

クルアーンは、ムスリムの生き方のすべてを網羅する、まさに「人生のガイドブック」です。

  • 信仰の基本: アッラー(讃えあれ、至高なる御方)とはどんな存在か、何を信じるべきか
  • 預言者たちの物語: アダム、ノア、アブラハム、モーセ、イエス、そしてムハンマドなど(彼らに平安あれ)、多くの預言者たちの生涯と教え
  • 生活の指針: 家族関係、商売のルール、社会倫理など、日々の生活をより良く生きるための指針
  • 法と公正: 公平な社会を築くための法律や、正義に関する教え
  • 歴史と未来: 過去の民族の物語から学ぶ教訓や、来世についての記述

これらの物語や教えは、決して古いお話ではなく、現代を生きる私たちの悩みや迷いに、ハッとするような答えを与えてくれる「生きた言葉」ばかりです。

1400年も前に書かれたのに現代の私たちの悩みを解決できてしまう、それも奇跡的だよね

まとめ:クルアーンは人生の指針

今回は、「奇跡の書」と呼ばれる聖典『クルアーン』についてご紹介しました。

  • 神の言葉そのものであり、預言者の言行録(ハディース)と共にイスラムの土台であること
  • 1400年間一字一句変わらず、多くの記憶者(ハーフィズ)によって守られてきたこと
  • 人生のあらゆる側面を網羅する、包括的なガイドブックであること

ムスリムがクルアーンを絶対的な指針とするのは、それが時代や文化を超えて変わることのない「神からの直接のメッセージ」だと、心から信じているからです。

人生のどんな時に開いても、そこには必ず、立ち返るべき真実と、心を導く光がある。

それが、私たちにとってのクルアーンです。

次の記事では、イスラムの教えの中から、私たちの心がフッと軽くなるような、3つのシンプルな考え方をご紹介しています。

最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。

この記事でお伝えした良いことは、すべてアッラー(至高にして崇高な御方)からのもの。
至らない点や間違いがあったとしたら、それは私の未熟さによるものです。

ここまで読んでくださったあなたにとって、何か一つでもプラスになることを祈っています。

Aya

アッサラーム アライクム
(あなたの上に、平安がありますように)

当ウェブサイトで扱う内容は非常に奥深く、専門家の方々が長年研究を重ねている分野です。共有している情報は、あくまでその広大な知識への入り口として、私自身の学びを元にまとめたものです。
もし内容に間違いなどお気づきの点がありましたら、コメント欄などで参考文献を添えて、優しくご指摘いただけますと幸いです。

なお、ブログ内で使用している敬称については、こちらのページで詳しく解説しています。

1400年間、一文字も変わらない奇跡の書『クルアーン』

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Aya
シドニー在住 日本人ムスリマ
学生時代の留学がきっかけで改宗。
ブログ「イスラムのとびら」では、イスラムの奥深さやムスリムのリアルな暮らしを発信しています。
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