「ハラール」という言葉を聞くと、まず「食べ物のルール」を思い浮かべますよね。
「なんだか制限が多そう、大変そう…」そんな印象を持っている人も、少なくないかもしれません。
私もムスリムになる前はそんな風に感じていました。
Ayaでも、学びを進めるうちに「制限ではなく、神様からの贈り物だ」と感じるように!
今回は、ハラールという概念の基本と、私たちの生活に最も身近な「食」のルールについて、その、本当の、温かい意味を、一緒に、見ていきましょう!
ハラールとハラームってなに?
ハラールを理解するにはまずは、ハラールと、ハラームという用語を理解しておきましょう。
どちらもアラビア語で、意味はこんな感じです。
- ハラール(Halal): 「許されたもの」→「健全で良いとされるもの」
- ハラーム(Haram): 「禁じられたもの」→「害や不正につながるもの」
この2つは対になっていて、イスラム法(シャリーア)の中で生活を導く両輪のような役割を果たしてくれます。

イスラムの原則:「ハラーム以外は基本的にハラール」
イスラムではal-asl fi al-ashya’ al-ibahah” (الأصل في الأشياء الإباحة)という、
「禁止されたもの以外は基本的に許可されている」という大原則があります。
つまり、アッラー(至高にして崇高な御方)が明確に禁じていない限り、大抵のことはOKなんです。
クルアーン(コーラン)にもこうあります。
かれ(アッラー)こそは、地にある全てのものを、あなたがたのために、創られた方
つまり、基本的には地上のものは許されているけど、健康や心、社会の安全を守るために特定のもの(ハラーム)が明確に禁止されていると言うことなんです。
Aya以前の私もそうだったけど、「禁止事項が多くて大変そう」と言うより、実はびっくりするほど寛容で、シンプルですよね!
ハラーム(禁止)の食べ物についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
聖典コーランに学ぶ:なぜハラールが大切なのか
なぜ、ムスリムはこの「ハラール(許されたもの)」を、これほどまでに、大切にするのでしょうか。
その答えは、とてもシンプルです。
それは私たちの創造主である、アッラー(至高にして崇高な御方)が、聖典クルアーンの中で、私たちに明確教えてくれているからです。
人びとよ,地上にあるものの中良い合法(ハラール)なものを食べて,悪魔の歩みに従ってはならない。本当にかれは,あなたがたにとって公然の敵である。
また、預言者ムハンマド(彼に平安と祝福あれ)も、私たちに、こう教えてくれています。
合法なものは明らかであり、禁止されたものも明らかである。その間には、多くの人が知らない疑わしい事柄がある。ゆえに、疑わしい事柄を避ける者は、自分の宗教と名誉を守ることになる。
Sahih al-Bukhārī 52, Sahih Muslim 1599 抜粋
ムスリムにとって、ハラールとは、神様が私たちの身体と魂にとって、本当に「善いもの」だというお墨付きだと言えます。
そして、わたしたちにとって「害」となるハラームなものから、ただ守ろうとしてくれているということ。
Ayaハラール・ハラームって人間・社会を守るためにあるのか、と思った時「理にかなっているな」と思いました

現代社会では、かつては許されなかったドラッグの合法化など、モラルや価値観がどんどん変化していますよね。
でも「ドラッグが人に害を及ぼすもの」という普遍的な真実は変わりません。
そうした中で、イスラムの教えは揺るがず、一貫してその真実を変えず1400年以上守り続けています。
この不変性こそが、イスラムの教えの強さであり、シンプルさだと感じます。
食品におけるハラールとは?
ハラール食品とは?
ハラール食品とよく聞きますが、一体なんのことを指すのか。
簡単に言ってしまえば、ハラーム(禁止されているもの)が含まれていない食品のことです。
とってもシンプルですよね。
ハラール認定とは?

でも、本当に禁止されているものが入っていないか、現代社会でパッと見分けるのが難しいことがよくありますよね。

特に加工食品なんて、実際何が入ってるのか全然わからないよね
そのため、様々な団体がハラール認定ということをして、ハラームなものが入っていないことをぱっと見でわかるようにしてくれているんです。
ハラール認定があると、ムスリムが安心して食べたり飲んだりできるようになるっていうことなんですね。
※ハラール認定は「義務」ではなく「信頼の目安」ということ、認定がなくても原材料に問題がなければハラールな食べものとみなされます。
Ayaハラール認証を意識するのはお肉を買う時くらいです
あとは、原材料名を確認して動物由来のものやアルコールが入っていなければOKです!
肉類について

豚肉や、ハラールな方法(ザビハ)で屠畜されていない肉は食べられません。
逆にいうと、豚肉以外、そしてハラールな方法で屠殺された動物(牛・鶏・羊など)は頂くことができます。
Aya正直に言うと、最初はなんで豚肉がNGなのかがなかなか理解できず、戸惑いを感じた時期も
(ちなみに、ユダヤ教やキリスト教の一部でも豚肉は避けられているんです。一神教のお話についてはこちらの記事で詳しく触れています。)
でも調べていくうちに、健康面でのリスク(脂肪や細菌の問題など)や、清浄さを保つというイスラムの教えの意味に気づき、避けることが自分の体と心を守るための大切な配慮だと感じ、 今では、不自由どころか自分を大切にしていると感じています。
>>詳しくはこちらの記事で
痛みや恐怖をできる限り与えない屠殺方法:ザビハ
ちなみにハラールな屠殺方法とは、動物に苦痛をできる限り与えない方法での屠殺であり、神の名を唱えて命をいただくということも要件の一つになります。
いろんな条件があって詳しくは書ききれませんが、例えば下記。
「イスラムと畜」をする際には、これから「と畜」される動物に、目の前でナイフを研ぐところを見せたり、他の動物が殺されるところを見せることがないように目隠しをさせるなどの配慮をするように指導されています」

動物に苦しみを与えるのを最小限にすると言う配慮をしていると言う事実だけで、ムスリムじゃなくてもハラールなお肉を食べたいと思うかも。
魚介類について
ほとんどのイスラム法学派では、すべての魚介類がハラール(許可されている)とされます。
(一部、貝類・エビなどを除く場合もあります)
特に日本だと魚介類の選択肢はたくさんあるので助かりますね!
植物性食品について
野菜、果物、豆類、穀物は全てハラールです。
Aya日本に一時帰国するときや、ムスリムマイノリティーの国に旅行に行く時は、私はベジタリアンやヴィーガン、そしてシーフードオプションを頼むことが多いです!
意外と不便しませんよ
飲料について
アルコール(お酒)はハラーム(禁じられているもの)です
クルアーンにはこう記されています。
信仰する者たちよ、酒、賭け事、偶像、賭矢を引くことは、悪魔の行いであり、穢れに外ならない。ゆえにあなた方が成功するように、それ(ら)を避けるのだ。
アルコールについて「少量であれば体にいい」と聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
実はクルアーンにも、お酒には何かしらの「多少の良さ」があるとされています。
かれらは酒と,賭矢に就いてあなたに問うであろう。言ってやるがいい。「それらは大きな罪であるが,人間のために(多少の)益もある。だがその罪は,益よりも大である。」

すごく納得感あるね!
では、アルコール以外の飲料については、どうなのでしょうか。
水、お茶、コーヒー、ジュース、牛乳…といった、一般的に普通の消費で私たちの心身に、害を及ぼさない、ほとんど全ての飲料は、もちろん、ハラール(許可されている)です。
ただし、現代社会においては、いくつかの、注意すべき「グレーゾーン」も、存在します。
例えば、製造過程でごく微量のアルコールが副産物として発生してしまう可能性のある、一部の発酵飲料(ノンアルコールビールや、特定の栄養ドリンクなど)については、イスラム法学者の間でも、様々な見解があります。
ただ、イスラムの、大原則として、「あなた自身と、他者に、明確な『害』をもたらすものは、避けるべきである」ということ、そして何事においても過剰摂取は良くないとされています。

おわりに
ここまで、ハラールの基本的な考え方と、私たちの生活に最も身近な「食」のルールについて、見てきました。
多くのムスリムがハラール・ハラームについて大変だと思っている、というよりは、神様からの正しい道の導きだと思っていることを少しでも感じ取っていただけたでしょうか?
後編では、より具体的で、そして、私たちの、生き方そのものに関わる「食を超えた、ハラールの世界」について、お話しします。

最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。
この記事でお伝えした良いことは、すべてアッラー(至高にして崇高な御方)からのもの。
至らない点や間違いがあったとしたら、それは私の未熟さによるものです。
ここまで読んでくださったあなたにとって、何か一つでもプラスになることを祈っています。
Ayaアッサラーム アライクム
(あなたの上に、平安がありますように)
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