アッサラーム アライクム(あなたに平安あれ)
こんにちは、日本人ムスリマのAyaです。
「ラマダン」と聞くと、「なんだか厳しくて、辛そう…」と感じていませんか?
Aya実は、私もムスリムになる前は全く同じように感じていました
でも、ラマダンは「我慢」の月ではありません。
むしろ、年に一度、私たちの心と体をリセットし、人生をより豊かにするための祝福された「ギフト」のような時間なんです。
この記事では、「ラマダンとは何か?」という基本から、その深い目的、そして具体的な過ごし方まで、あなたの「なぜ?」に答えます。
読み終わる頃には、ラマダンのイメージがガラリと変わっているはず!?
ラマダンとは?断食の月?
ラマダンはイスラム暦の「月の名前」
イスラム暦(ヒジュラ暦)の9番目の月の名前で、実は断食という意味ではありません。
太陰暦の月の長さは29日または30日と変化するので、太陽暦の年よりも10日または11日短くなります。
Ayaだから、ラマダンは1年ごとに数日早く「ずれる」ように感じられるんだね
※アラビア語では「ラマダーン」と伸ばして発音されますが、日本語では一般に「ラマダン」と表記されることが多いため、本記事では「ラマダン」を使用しています。

ヒジュラ暦
ヒジュラ暦は、預言者ムハンマド(彼に平安と祝福あれ)がメッカからマディーナに聖遷(移住)した西暦622年を1年目とするカレンダーです。
ヒジュラ暦の各月の名前を知りたい方はこちら↓
| 1月 ムハッラム |
| 2月 サファル |
| 3月 ラビーウル・アウワル |
| 4月 ラビーウッ・サーニー |
| 5月 ジュマーダル・アウワル |
| 6月 ジュマーダッ・サーニー |
| 7月 ラジャブ |
| 8月 シャバーン |
| 9月 ラマダーン |
| 10月 シャウワール |
| 11月 ズル・カアダ |
| 12月 ズル・ヒッジャ |
なぜ、ラマダン月が特別なのか?
それは、聖典クルアーンが、預言者ムハンマド(彼に平安あれ)に初めて啓示された、神聖な月だからです。
アッラー(至高にして崇高な御方)はクルアーンでこのように述べています。
ラマダーンの月こそは,人類の導きとして,また導きと(正邪の)識別の明証としてクルアーンが下された月である。
それであなたがたの中,この月(家に)いる者は,この月中,斎戒(断食)しなければならない。

ラマダンは、神様が人類全体に向けての導きとしてコーラン(クルアーン)を与えてくださった月なんだね
>> そもそもクルアーンとは何か、その奇跡性について、こちらの記事で詳しく解説しています。

断食(サウム)とは?
ラマダンといえば、断食を思い浮かべますよね。
イスラムにおける断食のことは、アラビア語で「サウム」といいます。
この「サウム」という言葉の本来の意味は、単に飲食を断つことではなく、「(あらゆる悪いことから)慎むこと、避けること」です。

ラマダン=断食をする月というのは、知られているけど、サウムという言葉はあんまり知られていないね
多くの人が知っているように、ムスリムはラマダン月に日の出から日没までの間、全ての飲食を断ちます。
本当のラマダン・断食(サウム)って?
イスラムが教える真の断食とは、飲食だけでなく、悪口や嘘、怒り、無駄話といった、全ての悪い行いや言葉をも「断食」することだといえます
Aya胃や口だけでなく、見ること(目)、聞くこと(耳)、喋ること(舌)、そして心も、全てがサウム(悪いことからの断食)状態になるように努力するのがラマダンなんだね
この点について、預言者ムハンマド(彼に平安と祝福あれ)は、非常に厳しく、そして本質的な言葉を残しています。
嘘の言葉や、(それに基づく)行いをやめない者に対して、アッラーは、その者が食べ物や飲み物を断つことなど、必要とされない。
ただ飲食を我慢しているだけで、その他の行いが改善されないのなら、神様にとって、そんな断食には意味がない、ということです
この教えを知ると、ラマダンの断食が、単に我慢するものではなく、1年間で貯まってしまった心や体の悪いものをふるい落とし、自分自身を内側から浄化するための、精神的向上の実践であることに気づきます。
ラマダンの真の目的:「タクワ(神様への意識)」を育てる

では、そもそも、なんでムスリムは断食をするのでしょうか?
ここからはその、「なぜ?」の部分に焦点を当ててお話しします。
クルアーンが示すラマダンの究極のゴール
それはクルアーンの一節に、明確に示されています。
信仰する者たちよ、あなた方以前の者たちにも義務づけられたように、あなた方にも断食が義務づけられた。それはあなた方が「タクワ」を得るためである。
「タクワ(Taqwa)」とは、「神様への意識」「神様を畏れ敬う心」のように訳される、イスラムの信仰における、最も重要な心の状態です。
では、なぜ「断食」という行為が、この「タクワ」神様への意識を育てるのでしょうか。
ここでは3つの側面について見ていきます。
断食が「タクワ」を育む3つの理由
1.【神様との関係】恵みを実感し、「感謝(シュクル)」の心を鍛える
普段、当たり前のように口にしている、一杯の水や、ご飯。
断食は、そういった行為が決して当たり前ではなく、すべて神様からの恵みであることを、空腹と喉の渇きという直接的な形で、私たちに思い出させてくれます。
Aya日没後(イフタール)に、一口の水を飲んだ時の身体中に染み渡るような感覚はムスリムであれば誰もが経験したことがあるのではないでしょうか
この経験が、私たちの中に、日常にある恵みの再確認、そして神様への心からの「感謝(シュクル)」の気持ちを育ててくれます。
預言者ムハンマド(彼に平安と祝福あれ)も、飲食の前後に感謝することの重要性を、こう教えています。
まことにアッラーは、しもべが食事をして、それにかれを讃美(感謝)し、あるいは飲み物をして、それにかれを讃美(感謝)することを、喜ばれる。
2.【自分自身との関係】欲望を律し、「盾(ジュンナ)」を得る
イスラムでは断食は、私たちの「ナフス(エゴ、欲望)」を訓練するための、最も効果的な手段の1つとされています。
預言者ムハンマド(彼に平安と祝福あれ)は、断食について、力強くこう教えました。
断食は、盾(ジュンナ)である
これは、「地獄の火からの盾」であると同時に、「罪深い行いからの盾」でもあるとされています。
飲食・性欲という人間の欲望を「神様のために」コントロールできている、という強い意識は、私たちを、嘘、悪口、怒りといった、あらゆる悪行から守ってくれるといえます。
Ayaラマダンはムスリムにとって精神的な筋トレ期間と言えるかもしれませんね!
3.【他者との関係】痛みを共有し、「共感・思いやり」の心を鍛える
断食には重要な社会的側面もあります。
裕福な人も、そうでない人も、全てのムスリムが、同じ期間に、等しく空腹を経験します。
預言者ムハンマド(彼に平安と祝福あれ)は、こう言われました。
あなた方の誰も、自分のために愛するものを、その兄弟のために愛するまでは、(真に)信仰したことにはならない。
ここでの兄弟は血が繋がった兄弟に限らず、ムスリム全体のことを指します。
イスラムでは、信仰の道に入ると、世界中の全てのムスリムが、信仰における「兄弟・姉妹」となります。
他者の痛みを、自分の痛みとして感じること。

【豆知識】ラマダンと「ザカート(喜捨)」の関係
このように、ラマダンは、他者への共感や、神様への感謝を、一年で最も強く意識する月です。
そのため、イスラム教徒の義務である「ザカート(定められた喜捨)」を、この祝福された月に支払おうと考えるムスリムが、世界中にはたくさんいます。
(もちろん、ザカートの支払い時期は、本来は個人の資産状況によって決まるため、必ずしもラマダンと一致するわけではありません。)
なぜ、多くの人がラマダンを選ぶのか?
それは、この月に行った善行には、普段の何倍もの報奨があると、信じられているからです。
Ayaザカートは年に一回の義務だから、毎年ラマダンに行うと忘れないというメリットもあるかも!
この、イスラムが教える、非常に合理的で、美しい助け合いのシステム「ザカート」については、また別の機会に記事にしますので、どうぞ、お楽しみに!
ラマダンをもっと豊かに!おすすめ、3つの準備
ラマダンの祝福を最大限に受け取るためには、実はラマダンが始まる前からの「準備」が、とても大切になります。
いきなり断食を始めるのではなく、心と体をラマダンに向けて少しずつ鍛えていくイメージです。

①【心の準備】具体的な「目標」を立てる
- 今年のラマダンで、何を達成したいか、具体的な目標を立ててみましょう。
- 例:「毎日、クルアーンを◯ページ読む」「新しいドゥアーを◯つ覚える」「ラマダン期間中は、絶対に悪口を言わない」など
- 目標を紙に書き出すことで、ラマダンをより意識的で目的のある一ヶ月にすることができます。
多くのムスリムは30日間に、アラビア語でクルアーンを読み切るという目標を立てます。(1日1ジュズ)
ですが、私たちのような改宗者にとってはアラビア語で1日1ジュズ読むのはかなり無謀な目標になってしまいます。
Ayaもちろん、すらすらとアラビア語で読める改宗者の方もいらっしゃいます。私たちもそういった人を目標に努力していきましょう!
途中で諦めるような目標ではなく、ラマダンを通してやり切れるレベルの目標をたてましょう。
私の先生は「今できていることから少しストレッチする目標を立てるべし」と常におっしゃっています。
アラビア語が読めないのであれば、アラビア語でクルアーンを全部聞いてみる、全部聞くのが難しいなら、毎日○ページと決めて、○章は聞く・読み切る、など。
②【体の準備】少しずつ、食生活を整える
- ラマダン直前になって、急に生活や食事のリズムを変えるのは、体に大きな負担がかかるので、数ヶ月前から準備するのがベスト
- Tahajjudのお祈り(ファジュル前まで)の習慣をつける=早起きに慣れる
- 断食の練習をする(これはラマダン直前に行うのは良くないとされています)
特に日頃からカフェインをよく摂取する方は、断食中に強い頭痛を伴うことが多いです。
もし徐々にラマダンに向けてカフェインを減らせるようであれば減らしておくと、断食が少し楽になります。
③【環境の準備】学びのスケジュールを組む

ラマダン期間中は、世界中のモスクやオンラインで、素晴らしいレクチャーや講義がたくさん開催されます。
また、ラマダン前にもラマダン準備に関するレクチャーが実施されています。
ぜひそういった情報をラマダン前に収集して、ラマダンの時にどんな勉強や追加の信仰ができるか、プランニングしておくのが良いでしょう。
自分が興味のある学者のYouTubeチャンネルを登録しておいたり、オンラインコミュニティに参加したりするのもおすすめです。
AyaおすすめのYoutubeチャンネルについて別途記事を書いているのでこちらもご参照ください
ラマダン中の「過ごし方」と「ルール」
ラマダンの食卓:スフールとイフタール
さて、ここからは、ラマダン中の生活で重要な「食事」について見ていきましょう。
一日の中で、ムスリムが食事をとるのは、主に2回。
夜明け前の「スフール」と、日没後の「イフタール」です。
スフール(Suhoor):祝福された夜明けの食事
「眠いから…」と抜いてしまう人もいますが、スフールは、預言者が「その食事には、祝福(バラカ)がある」と教えた、一日を乗り切るための、最も重要なエネルギー源です。
【おすすめの食べ物】
ポイントは、消化がゆっくりで、腹持ちの良いものを選ぶこと
- 主食: オートミール、全粒粉パン、玄米など
- タンパク質: 卵、ヨーグルト、豆類など
- ビタミン: 果物(特にバナナはおすすめ!)、野菜、デーツ
- 水分:たくさんの水を夜から飲んでおき体を潤す
スフールでバランスの良い食事を摂ることが、日中の空腹感や疲労感を和らげる、最大の秘訣かなと感じます。
Aya私は前日に野菜たっぷりのスープを作っておき、Tahajjudなどのお祈りを終わらせたら、スープとご飯、プロテインシェイクなどを食べることが多いです
昨年友人からプロテインシェイクが腹持ちがいいと聞いて、プロテインパウダー・バナナやデーツを入れたシェイクをスフールに取り入れましたが、結構よかったなと感じたので、よかったら取り入れてみてくださいね。
イフタール(Iftar):日没後の食事
一日を頑張った後のイフタールの時間。
賢い食べ方: 3ステップ
スンナ(預言者の慣行)に従うのが、空っぽの胃に最も優しい、科学的にも理にかなった方法です。
- デーツ(ナツメヤシ)でBreak Fastする
- アザーンが終わったらまず最初に口にするのは、奇数個のデーツが推奨されています。
- 「アッラーの使徒(彼に平安あれ)は、礼拝の前に、数個の熟したデーツで断食を破るのを常とされていた。もし熟したデーツがなければ、干しデーツで。もしそれもなければ、数口の水をすすられた。」
Jami` at-Tirmidhi 696 - デーツは、体に吸収されやすい良質な糖分を豊富に含み、一日下がっていた血糖値を、優しく速やかに回復させてくれます。
- 水で体を潤す
- デーツをいただいた後、お水で乾いた体にゆっくりと水分を補給します。
- マグリブの礼拝を挟んでから、本格的な食事へ
- デーツと水で最初の空腹を落ち着かせたら、すぐに本格的な食事に入るのではなく、まずマグリブの礼拝を行うことがスンナです。

ラマダン中の祝福を最大化する5つの実践
いよいよラマダンが始まります。
日中の断食に加えて、実践を意識することで一日がさらに祝福に満ちたものに。

普段通り、お祈りを時間通りにすることはもちろん、追加で頑張れることがたくさんあるね
① クルアーンと共に過ごす
ラマダンは「クルアーンの月」です。
ただ読むだけでなく、意味(タフスィール)を学んだり、美しい朗誦に耳を傾けたり、一日一節でも暗記(ヒフズ)に挑戦してみたり。

② 夜の特別な礼拝「タラウィー」に参加
イシャーの礼拝の後に行われる、ラマダンだけの特別な夜の礼拝、「タラウィー」礼拝。
モスクで、コミュニティと共に、イマームが朗誦するクルアーンを聴きながら礼拝するのは一体感があってとても感動します。
なお、女性は家でタラウィーを行うことが推奨されています。
ですが、モスクに行くことにより、良い利益ある場合はモスクでのタラウィーに参加する方が良いと言われています。
(例えば、より集中できる、自分ではまだクルアーンをあまり朗誦できない、家では怠惰でできないけど、行くことでモチベーションにつながるなど)
③「与える」ことを意識する
ラマダン中のサダカ(任意の施し)は、普段の何倍もの報奨があると言われています。
金銭的な寄付だけでなく、イフタールの食事を隣人と分かち合ったり、家族を手伝ったり、友人に笑顔で接したり。
どんな小さな親切も、この月には特別大きな祝福となって返ってきます。
④ 舌を「断食」させる
これらを断つことを、特に意識しましょう。

⑤ 最後の10日間を、大切に過ごす
ラマダンの最後の10日間には、一年で最も祝福された夜である「ライラトゥル・カドル(みいつの夜)」が含まれていると言われています。
この期間は、特に夜間の礼拝やドゥアーに励み、最後の最後まで、神様の慈悲を求めることが、強く推奨されています。
シドニーではこの期間は朝まで開放しているモスクも多くあります。
また、I’tikaf(イティカーフ:隠遁)のプログラムがあり、実践できるモスクもあります。
初心者向け:断食の具体的なルール Q&A

Q. 断食の期間は?
イスラム暦9月(ラマダン)の約1ヶ月間
開始と終了は「新月」で決まるので29日か30日間になります。
Q. 一日のうち、断食する時間は?
夜明けのお祈りの時間(ファジュル)から、日没のお祈り(マグリブ)までです。
裏を返せば、マグリブから朝方までは食べても飲んでも大丈夫!
Ayaこの時間に家族とご飯を食べたり、モスクで炊き出しをしてコミュニティのみんなと集まって食べたり、という形で人と人との絆を感じる時間でもありますよ。

Q. 断食をしなくてはいけない人、そしてしなくてもいい人は?
断食は、健康で断食をできる身体能力があり、成人したすべてのムスリム(思春期を迎えた男女のムスリム)が対象です。
逆にいうと、思春期に達していない子どもや、病気がある人、高齢者、旅行者、妊婦や授乳中・生理中の女性など、免除・代替が認められています。
ラマダン後に行う埋め合わせの断食・Fidya
特に問題なく埋め合わせができる場合(生理・旅行者)は実施できなかった日数分を次のラマダンまでに埋め合わせで断食する必要があります。
しかし、慢性疾患などで将来的にも埋め合わせができる見込みがない方は、代わりにFidyaと呼ばれる寄付を行う義務があります。
なお、これらのルールの詳細はいくつかの見解があります。詳細は身近な先生方に伺うのがベストです。
Q. 具体的に、何をしたら断食は「破れた」ことになるの?
- 意図的な飲食 (薬なども含む)
- 意図的な嘔吐
- 性的な営み
- 意図的な射精
- 月経または、産後の出血
- 栄養補給を目的とした注射や点滴
- カッピング・献血(異なる見解もあり)
- 医療行為での採血程度はOK
ポイント「うっかり」は、大丈夫!
もし、断食していることをうっかり忘れて、水を飲んだり、何かを食べてしまったりした場合は、断食は破れていません。
預言者ムハンマド(彼に平安と祝福あれ)は、「それは、アッラーが彼に与えた飲食物である」と教えました。
気づいた時点ですぐに止め、そのまま断食を続けましょう。
おまけQ&A:ラマダン中に、ノンムスリムの友人のために、何かできることはありますか?
そのお気持ちだけで、本当に嬉しいです!
基本的には、いつも通りで大丈夫。 目の前での飲食も、過度に気にしすぎなくてOKです。
その上で、何かできることがあるとすれば、この3つでしょうか。
- 「ラマダン頑張ってね!」と、応援の言葉をかける。
- 食事に誘うなら、ランチではなく日没後の「イフタール」に。
- もし一緒に仕事をしているなら、大変な作業・ミーティングなどを午前中にしてもらえると、すごく助かります!(笑)
ラマダン明けのお祝い「イード・アル=フィトル」

約一ヶ月にわたる断食の期間を終えると、イスラム世界は「イード・アル=フィトル(断食明けの祝祭)」と呼ばれる、お祝いの日を迎えます。
ここでは、そのイードの日に、具体的に何が行われるのかを、ポイントを絞って解説します。
イードの大切な施し:ザカート・アル=フィトル
目的は?
- 断食中に、私たちが無意識に犯してしまったかもしれない、小さな過ちや、無駄話などを清めるため。
- 貧しい人々もイードの日をご馳走と共に、喜びの中で迎えられるようにするため。
いつまでに、どうやって支払うの?
伝統的には、イードの日の朝に、地域の貧しい人々に、直接、食料(米や小麦、デーツなど)の形で渡されてきました。
でも、現代では、直接渡せる相手を見つけるのが難しいこともありますよね。
そのため、多くの人がモスクやイスラムの慈善団体を通じて、現金の形で寄付をします。
重要ポイント:団体を通じて寄付する場合は、少し早めに!
団体は、皆さんから集まった寄付を、イードの礼拝の前に、世界中の本当に必要としている人々に届けなければなりません。
そのため、多くの団体が、ラマダンの最後の数日間、あるいはイードの2〜3日前を、寄付の締め切りとして設定しています。
団体を通じて支払う場合は、その団体のウェブサイトなどで締め切りを確認し、余裕をもって、イードの数日前に寄付を済ませておくようにしましょう。
(ザカート・アル=フィトルの金額は、毎年、その地域の主食の価格に基づいて定められます。お近くのモスクなどで確認してくださいね。)
イードの特別な礼拝

- 礼拝の時間: イードの礼拝は、日の出後の、午前中の早い時間に行われるのが一般的です。
- 通常の5回の礼拝とは別の、追加の礼拝です。
- 場所: 多くのムスリムが一堂に会するため、モスクだけでなく、公園や広場といった、より広い場所を借りて行われることが多いです。
- 礼拝の形式
- イードの礼拝は2ラカートで、アザーンやイカーマはありません。
- 最大の特徴は、タクビール(「アッラーフ・アクバル」と唱えること)を、通常よりも多く行う点です。
- 1ラカート目に7回、2ラカート目に5回、追加のタクビールを唱えるのが一般的。
(※学派により回数に違いがあります)。 - 礼拝の後に、イマームによるフトバ(説教)を聞くことがスンナです。
礼拝を終えた後は、お祝いの時間です。
- 挨拶: 「イード・ムバーラク!(祝福されたイードを!)」とお互いに挨拶を交わします。
- 交流: 家族や親戚、友人の家を訪ねたり、ご馳走を囲んだりして、断食の達成を共に喜び合います。
- 子供たちへのお祝い: 子供たちは、大人たちからお年玉のようなお小遣いや、プレゼントをもらう慣行があります。
【まとめ】制限ではなく、年に一度の「特訓期間」
ここまで読んでくださった方はもうお気づきの通り、ムスリムにとってラマダンは、何かを「失う」1ヶ月ではありません。
むしろ、多くのムスリムが毎年ラマダンを楽しみに待ちわびています。
ラマダンが不安な改宗者の方へ
もちろん、改宗してから最初の数回のラマダンは、「ちゃんとできるかな」「楽しみと思えない」といった不安や緊張の方が先に立つこともあります。
でも、それは当たり前。そんな時はアッラー(至高にして崇高な御方)に祈りを向けましょう。
そして何より、初心者ほど「準備」が大切です。
心も体も準備ができればラマダンは驚くほど楽になりますし、むしろ楽しみになっていきます。
Ayaもし、この記事を読んでいる方の中に不安を抱えている方がいたら、「大丈夫。最初はみんなそうで、だんだん楽しみになっていくものだよ」と伝えたいです!
この記事が、あなたのラマダンに対するイメージを、ほんの少しでも温かく、前向きなものに変えるきっかけになったなら、とても嬉しいです。
最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。
この記事でお伝えした良いことは、すべてアッラー(至高にして崇高な御方)からのもの。
至らない点や間違いがあったとしたら、それは私の未熟さによるものです。
ここまで読んでくださったあなたにとって、何か一つでもプラスになることを祈っています。
Ayaアッサラーム アライクム
(あなたの上に、平安がありますように)
当ウェブサイトで扱う内容は非常に奥深く、専門家の方々が長年研究を重ねている分野です。共有している情報は、あくまでその広大な知識への入り口として、私自身の学びを元にまとめたものです。
もし内容に間違いなどお気づきの点がありましたら、コメント欄などで参考文献を添えて、優しくご指摘いただけますと幸いです。
なお、ブログ内で使用している敬称については、こちらのページで詳しく解説しています。


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