アッサラーム アライクム(あなたに平安あれ)
こんにちは、日本人ムスリマのAyaです。
前回の記事では、イスラムが歴史的にいかに女性の権利と尊厳を高めてきたか、そしてなぜ欧米で改宗者の約8割が女性なのか、という驚きの事実を動画と共に解説しました。
しかし、まだイスラムについて語る上で避けては通れない女性関連の大きな誤解がいくつか残っています。
- なぜ、イスラムでは男性は4人の妻を持つことが許されているのか?
- なぜ、遺産相続において女性の取り分は男性の半分なのか?
- クルアーンにある「女性を打て」と解釈される一節の、本当の意味とは?
今回は、前回に引き続き、海外の優れたYouTube動画のパート2を元に、これらの非常にデリケートで、物議を醸すテーマの「真実」を紐解いていきましょう。
今回ご紹介する動画はこちら(Part 2)
- チャンネル名: Towards Eternity
- 動画タイトル: WOMEN in ISLAM: Polygamy, Inheritance & the ‘Beating’ Verse EXPLAINED! | EP 2
自動生成の日本語字幕で楽しめます。
※前回の動画(Part1)はこちらから
疑問①:一夫多妻制 ― 女性蔑視か、それとも社会的セーフティネットか?

多くの人が、イスラムにおける一夫多妻制を「女性蔑視の象徴」と見なします。
しかし動画では、この制度が「命令」ではなくむしろ「制限」であったという、驚くべき視点が提示されます。
そして歴史見ていくと、この制度が他の文明圏とどう異なっていたのかが、より明確になります。
一夫多妻制の4つの真実
動画では一夫多妻制の4つの真実が告げられます。
- 「1から4」ではなく「無制限から4」への制限だった
イスラムが登場した当時のアラビア社会では、男性が際限なく妻を持つことが当たり前で、多くの問題を生んでいました。
イスラムは、妻の数を最大4人までに「制限」し、そこに厳しい条件を課すことで、むしろ女性を保護したのです。 - 他の宗教・文明との比較
動画でも触れられている通り、一夫多妻制はイスラム特有のものではありません。- 旧約聖書: 預言者アブラハム、ダビデ、そして700人の妻がいたとされるソロモンなど、多くの預言者が複数の妻を持っていました。
実はキリスト教も、聖書の中で一夫多妻制を明確には禁じてはいません。 - ヒンドゥー教や他の文化圏: 同様に、一夫多妻制を禁じるルールはなく、歴史的に広く実践されてきました。
イスラムが画期的だったのは、この世界的に見られた慣習を初めて法的に「制限」し、女性の権利を保障する枠組みを設けた点にあります。
- 旧約聖書: 預言者アブラハム、ダビデ、そして700人の妻がいたとされるソロモンなど、多くの預言者が複数の妻を持っていました。
- 戦争未亡人と孤児を救うための「セーフティネット」
戦争で多くの男性が亡くなると、社会には保護者を失った未亡人や孤児があふれます。
彼女たちが路頭に迷うことなく、尊厳を保って生きていくための、非常に現実的な社会的セーフティネットとして、この制度は機能します。 - 「完全な公正」という、極めて厳しい条件
クルアーンは、複数の妻を持つ男性に対し「すべての妻を完全に公平に扱うこと」を義務付けています。
しかし、同時に「あなたがたは、どれほど望んでも、妻たちを平等に扱うことは決してできないであろう」とも述べており、これが人間にとっていかに困難なことかを示唆しています。
預言者ムハンマドも、もし公平に妻たちを扱えない場合は「最後の審判の日、夫は片側が麻痺した状態になる」と、不公平な夫への厳しい警告をのこしています。
疑問②:クルアーンは「女性を叩け」と命じているのか?
おそらく、イスラムに関して最も大きな誤解と嫌悪感を生んでいるのが、クルアーン第4章34節。
男は女の擁護者(家長)である。それはアッラーが,一方を他よりも強くなされ,かれらが自分の財産から(扶養するため),経費を出すためである。正しい女たちとは従順で、(夫の)不在にもアッラーのご守護によってよく遵守する者。あなたがたが,不忠実,不行跡の心配のある女たちには(良き言葉で)諭し,それでもだめならこれを寝室で彼女らを遠ざけ,それでも効きめがなければこれを打て。それで言うことを聞くようならばかの女に対して(それ以上の)ことをしてはならない。本当にアッラーは極めて高く偉大であられる。
動画では、この節の真意を、文脈と預言者の実践から丁寧に解き明かしていきます。
ここでも、西洋の歴史との比較が重要な視点となります。
動画が示す、第4章34節の4つのポイント
- 預言者自身が、生涯一度も女性に手を上げなかった
「歩くクルアーン」と称された預言者ムハンマド自身が、最も完璧な実践者であったにもかかわらず、妻に手を上げたことは一度もありませんでした。
それどころか「あなたがたの中で最も優れた者は、妻に最も良く尽くす者である」と教えています。
この事実こそが、この節を解釈する上での最大の鍵となります。 - 対象は「すべての女性」ではなく「ヌシュズ」という極端なケース
この節が対象としているのは、夫への不敬や口論といった一般的な問題ではありません。
「ヌシュズ」とは、妻が夫以外の男性に気を引き、家庭の名誉と貞節を危険にさらすような、不貞行為に繋がりかねない極めて深刻な背信行為を指します。 - 目的は「罰」ではなく「関係修復」のための3段階のプロセス
クルアーンは、この危機的な状況に対し、いきなり軽く叩くことを許すのではなく、段階的な解決策を提示しています。- ステップ1:言葉で優しく諭す(愛情と共感をもって助言する)
- ステップ2:ベッドを分ける(夫がソファに行き、妻を一人にさせることで反省を促す)
- ステップ3(最終手段):軽く叩く(これにも制限があり、顔はNG、またどこであっても体に跡が全く残らないレベルの叩く。つまり痛みなどを感じるレベルはNG。目的は魂を揺さぶり、正気に戻すための象徴的な行為)
- 西洋史との比較:法の不在
重要なのは、これが無秩序な暴力を「制限」するためのルールである、という点です。
例えば、19世紀のイギリスやアメリカでは、夫が妻に「懲罰」を加えることは「夫の権利」として、法的に(あるいは慣習的に)広く認められていました。
無制限の家庭内暴力を抑制、そして正しい方法で解決するための、画期的な法的介入である、と動画は示唆しています。
Aya背景知識、また誰に行うものか、そしてどうやって行うべきかという制限を知ると、イスラム教では女性を叩いていい、と解釈するのがいかに間違っているかがわかりますね

疑問③:なぜ、相続分は女性が男性の半分なのか?
「女性は男性の半分の相続しか受けられない」というルールも、一見すると不公平に聞こえます。
しかし動画は、「平等」と「公正」は違うという、非常に重要な視点からこの謎を解き明かします。
ここでも、西洋との比較がイスラムの先進性を明らかにします。
動画が示す、相続における「真の公正」
- 西洋では、女性に相続権すらなかった
まず大前提として、パート1でも触れたように、イギリスやアメリカでは19世紀後半に「既婚女性財産法」が制定されるまで、既婚女性に固有の財産権や相続権は法的に認められていませんでした。
イスラムが1400年以上も前に、女性に明確な相続権を与えたこと自体が、歴史的な革命だったのです。 - 経済的責任の圧倒的な差
その上で、なぜ差があるのか。
イスラムでは、家族を経済的に扶養する責任は、100%男性にあります。
女性は、たとえ働いて収入があっても、家計に貢献する義務は一切ありません。- 結婚前は父親が娘の生活を保障
- 結婚後は夫が妻の生活を保障
- 老後は息子が母親の生活を保障
- 女性の財産は「純粋なプラス」、男性の財産は「責任を伴うもの」
女性が受け取る相続財産や、結婚時に受け取るマハル(婚資)は、すべて彼女自身の個人的な財産となり、生活費に充てる必要はありません。
一方、男性が受け取る2倍の相続財産は、妻や子供、そして年老いた親を養うための「責任」を果たすために使われます。 - 結果的に、女性の方が豊かになる可能性も
男性は財産を「支出」する責任を負いますが、女性は財産を「保持」する権利しかありません。
そのため、実質的に自由に使えるお金は、女性の方が多くなる可能性さえあるのです。
イスラムの相続制度は、単なる数字の平等ではなく、社会的な役割と経済的責任に基づいた、極めて合理的で「公正」なシステムなのです。

なぜイスラムの教えは、これほどまでに印象操作されているのか?
一夫多妻、相続、そして女性を叩いてもいい…。
この3つの真実を話さず、表面をあえて切り取ることは、イスラムが女性を軽んじているかのように見せられる絶好のポイントです。
(メディアや真実を隠したい人が使うテクニックですね。)
しかし、2つの動画の解説を通して見えてくるのは、これらすべての根底に流れる、イスラムの「公正」と「女性の保護」という、一貫した思想です。
- 一夫多妻制は、無秩序な関係を「制限」し、社会的弱者を「保護」するためのセーフティネット。
- 第4章34節は、制御不能な暴力を「制限」し、家庭という共同体を「保護」するための最終手段。
- 相続制度は、男性のみが担う経済的責任という現実に基づいた「公正」な分配であり、生涯を通じて女性を経済的に「保護」するためのシステム。

そして、ここにこそ、メディアが作り出すプロパガンダの巧妙さがあります。
彼らは、この「背景」と「目的」を意図的に切り捨て、結果として現れる「現象」だけをセンセーショナルに報道します。
そして、今の世の中、経済的状況などから多くの女性が働きたくなくても働かなくてはなりません。

働いていない専業主婦が働く女性より劣っているようなイメージさえ植え付けられてるような気がする…
イスラム教であれば、女性は家で家庭を守るという責任重大な「役割」があるので、そちらだけに専念するという選択肢があります。(だからと言ってイスラム教では男性は家事・育児をしなくていいわけではありません!)
家事や育児は働いている女性たちにものしかかってくるので、現代社会は外での労働を「先進的」と思わせながら、実は女性にとても厳しいと言えるでしょう。
なお、イスラム教では女性が働くこともOKです。なんと、預言者ムハンマドの最初の最愛の妻は成功しているビジネスウーマンでした。
妻が稼いだお金は妻だけのものに。家計に入れるかどうかは、妻が合意した場合のみ。(もちろん家計が厳しければ夫のサポートとして自分の稼ぎも使うという選択肢もありますが、あくまでもそれは妻の自由。)
女性が稼いだお金は女性のもの、男性の稼いだお金は家族を養うために使う、というこのイスラム教のスタンス、これってびっくりじゃないですか?
Ayaイスラム教ってむしろ女性が優遇されている、というレベルで女性を守っていて、世間のプロパガンダとは正反対だと学んでいくうちに知りました
ここまで見てきて、皆さんも感じられたと思いますが、メインメディア・世間が押し付けてくるイスラム教のイメージは、全てを疑ってかかるくらいでちょうどいいレベルだと感じます。
そう考えると、必死になって何十年もイスラム教のイメージ操作が行われてきていることに納得できますね。
まとめ:誰が、最も公正なバランスを定められるのか?
この動画は、最後に私たちに鋭い問いを投げかけます。
偏見や先入観なしに、誰が男性と女性の間の最も公正なバランスを設定できるでしょうか?
私たち不完全な人間か、それとも私たちを創造した完璧な創造主、神様でしょうか?
(神様についてはこちらの記事へ)
パート1、パート2を通して見てきたように、メディアが作り上げたイメージの奥には、1400年以上も時代を先取りした、驚くほど論理的で、慈悲に満ちたシステムが存在します。
Ayaだからこそ、今、多くの女性たちがプロパガンダの壁を越え、自らの意思でイスラム教に改宗ししていると感じます。
今回ご紹介した内容は動画の要点をまとめたものですが、全編をご覧になるとナレーターの力強い語り口や映像の説得力から、さらに多くの発見があるはずです。
この素晴らしい動画を制作してくださった『Towards Eternity』チームに、心から敬意を表します。
▼ぜひ、元の動画もチェックして、チャンネル登録で応援しましょう!
自動生成の日本語字幕で見ることができますよ。
▼前回の記事(Part 1)はこちら

最後まで読んでくださって、本当にありがとうございました。
この記事でお伝えした良いことは、すべてアッラー(至高にして崇高な御方)からのもの。
至らない点や間違いがあったとしたら、それは私の未熟さによるものです。
ここまで読んでくださったあなたにとって、何か一つでもプラスになることを祈っています。
Ayaアッサラーム アライクム
(あなたの上に、平安がありますように)
当ウェブサイトで扱う内容は非常に奥深く、専門家の方々が長年研究を重ねている分野です。共有している情報は、あくまでその広大な知識への入り口として、私自身の学びを元にまとめたものです。
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なお、ブログ内で使用している敬称については、こちらのページで詳しく解説しています。


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